還元くんの中で雑菌がわきませんか?というご質問をいただきました。
先日、還元くんをお使いの方からこんな質問をいただきました。
「還元くんに人肌の液体を入れてずっと放置しておくと、雑菌が繁殖すると思うのですが・・」
この質問者様は「このように思いますが、CHIKAさんはどう思われますか?」と気軽に質問してくださったのですが、
同じように疑問をお持ちの方もおられると思うので、ちょっと考えてみました。
はじめに結論をお伝えします。
こまめに洗い、還元くんを説明書の通りにきちんと使えば問題ないです。
私は還元くんが大好きで、このボトルがいろいろな意味で人を救う場面も沢山見てきました。
これからも使い続けますし、各家庭に1本づつあればいいと心から思っています。
大学で微生物学研究室にいたときの話
「大腸菌」は人にとって有害か
私は学生の時、卒業論文を書くための所属として微生物学研究室を選びました。
理由は先生がシブくて声が良かったことと、楽ができると思ったからです(笑)
・・しかし、実際は全く楽なんてできず微生物たちの世話がとても大変だったことを覚えています。
その時指導してくださった助手Tさんからこんな質問を受けました。
「大腸菌って悪い菌だと思う?いい菌だと思う?」
大腸菌と言えば食中毒を起こした「O-157」とウ○コの中に沢山いる菌という程度の知識しかなかったので
「悪いやつもいるし、良いやつもいる」
という答えを出しました。
明らかに人にとって害がある微生物
研究室では病原微生物として結核菌なども扱っており、この菌は明らかに人にとっては有害。厳重管理下に置かれていました。
しかし、ふと思ったのは
「悪い菌、良い菌の基準ってなんだろうね?」
ということです。
私たちが吸っている空気の中にも雑菌がいる
微生物を、ある時「雑菌」と呼んだりします。
これは、知られていない名もなき微生物たちがまだまだ沢山いるからです。
どんなところにもこの「雑菌」は存在し、私たちが今吸っている空気の中にも2000種類以上の雑菌がいると言われています。
世の中には多くの「除菌製品」がありますが、これらの製品では全ての雑菌を死滅させることはできません。
微生物たちと私たちは切っても切りきれない関係なんです。
雑菌、微生物、悪玉菌、善玉菌ってなんだろう?
一般的にはこう言われています
言葉の定義を再確認してみましょう。
【雑菌】
雑多な細菌。特に、微生物の培養時に外部から混入して発育する異種の細菌や、無菌的条件を要する場に微生物汚染をおこす不特定の細菌。
【微生物】
顕微鏡で拡大しなければ観察できない微細な生物。細菌・酵母・原生動物など。
なんとなくこの辺りはごちゃ混ぜになって使われているように思います。
ちなみにコロナウィルスに代表される「ウィルス」は電子顕微鏡でなければ見えない、細菌よりもっともっと小さい病原体の総称です。
人間にとって有用か、そうでないか
皆さんにも馴染み深い「発酵食品」。
これは、そこに住む微生物たちが人に良い食べ物を作ってくれた成果物です。
活躍しているのは「善玉菌」。
【善玉菌】
消化吸収の補助や免疫刺激など、健康維持や老化防止などへ影響がある菌で、代表的な菌にはビフィズス菌や乳酸菌。
【悪玉菌】
悪玉菌はからだに悪い影響を及ぼすとされ、代表的な菌にはウェルシュ菌・一部のブドウ球菌・一部の大腸菌。
例えば、ヨーグルトは牛乳に乳酸菌を入れて一定の温度を保ってあげると完成します。
ぬか漬けはもともと野菜にくっついている乳酸菌をぬか床で増やし、その沢山の乳酸菌が作ってくれる漬物です。
と、こんなふうに乳酸菌は人間にとって都合よく、良いことをもたらしてくれます。
人間の腸の中には「日和見菌(ひよりみきん)」というのがいて、優勢な方につくという面白い動きをします。
先ほどの研究室助手Tさんの質問、
「大腸菌は悪い菌か、良い菌か」という質問ですが・・
大腸菌は、病原菌であるものもいます。しかし、人にとって有用な薬を作るために一役かっているものもいます。
つまり、「良い菌・悪い菌」「善玉菌・悪玉菌」という分け方は
人間にとって都合が良いか・悪いかということなんですね。
「自然の摂理」
暑い夏が来れば体は動きやすくなり、寒い冬はちょっと動きも鈍くなる。
生まれてくれば、いつかは必ず土に還る。
日が昇れば、日が沈む。
色々な「自然の摂理」がありますが、私たち人間も微生物たちも自然の一部。
なので、この摂理にそった生き方をする方が心地よい毎日が送れるはずなのです。
還元くんはその一助であると私は思っています。
そもそも私たちの体は雑菌だらけ
人間は細胞の塊か、微生物の塊か
私たちの体は37兆個の細胞で成り立っています。
(少し前までは60兆とか70兆と言われていましたが、最近はこちらが通説です)
しかし、細胞の数以上に私たちの体に住んでいるのが微生物たち(主に細菌)!
微生物たちは私たちの目には見えませんが確実にそこに存在し、生きています。
その数は100兆個を超えると言われているのですよ!すごいですね。
私たちの体は微生物と共にあり(共生関係)、彼らのことを「常在菌」と呼び、普通は体に害を及ぼすことはありません。
面白いことに、彼らはきちんとわきまえていて住む場所が決まっているという。。
そして彼らの多くは外部から私たちの体を守ってくれるが如く、皮膚や消化管にいます。
皮膚が体の「外」というのは分かりやすいですが、胃や小腸、大腸などの消化管も「体の外」なんです。
健康な人の脳や心臓、腎臓などの臓器には微生物たちは入れないようになっています。
結局のところ、私たちの体は「細胞」と「微生物」でできているのですね。
微生物が好きな温度や餌
そんなわけで、せっかくなら微生物たちと仲良くしておいた方が良いと思われます。
あまりに「除菌・除菌」しすぎると、常在菌をいじめていることになるのでご注意を!
皮膚の上に住んでいる常在菌は、外部の敵から私たちを守ってくれて肌の調子を整えてくれるわけなので、
極端な除菌はおすすめしません。
ちなみに微生物が育つためには、栄養分・水分・温度・pH・酸素の有無などについて特定の環境条件が必要で、
私たちの体に住んでいる微生物たちも、自分が住みやすい場所に住んでいて善玉菌と悪玉菌がナワバリ争いをしています。
そして、人の腸の中の体温はいつも36度〜37度を保っています。
pHに関しては、小腸がpH 5~6.5、大腸がpH 5~6の弱酸性。
血液などの体液はpH 7.4前後の弱アルカリ性ですが、皮膚や髪の毛は、細菌やカビから守るためpH 5.5~6.5の弱酸性。
人の体も部位によって環境が違います。
自然界には、もっと厳しい環境に住んでいる微生物もいますよ。
そういった微生物たち、私たちにとって良い効果をもたらしてくれるものもいれば逆のものもいるといるということです。
飲み物にも食べ物にも、もともと雑菌は住んでます
茶葉から煎れるお茶、豆を引いて煎れるコーヒー。
もともとその茶葉や豆に住んでいる微生物がいるわけで、これらの飲み物にも当然微生物が泳いでいます。
ペットボトルの飲み物はどうでしょう?
微生物があまり入れない環境で作っていますが、一度封を開ければ空気中の雑菌たちが入り込み、増えていきます。
こちら、宇都宮市が調べた「一度口をつけたペットボトルの飲み残し」に関する記事ですが・・
https://www.city.utsunomiya.tochigi.jp/kurashi/eisei/shikenjo/1014682.html
もちろん私たちの口の中には沢山の微生物が住んでいます。
ペットボトルに直接口をつけて飲むと、
ダイレクトに口の中の微生物が飲み物に入り込む
わけですね。
ちなみに、糖分が好きな雑菌は多いです。
なのでミルクコーヒーは48時間後の雑菌数が大変なことになっています。
この記事の中で面白いのは、30℃の条件下に48時間放置して、
・緑茶
・100%オレンジジュース
・スポーツ飲料
はむしろ最初より微生物の個数が減っているということです。
緑茶には「カテキン」が含まれていますが、これが細菌数を減少させたのではないかと書かれていますね。
他の飲料に関しては、p Hが関係しているようです。
還元くんに入れるものは何がいいか
還元くんの中の環境
還元くんの陶器の中の環境を考えてみましょう。
・空気には触れられる(空気が好きな菌が住みやすい)
・温度は外気温にもよるし、p Hも入れる飲料の温度によりけり
これまで色々書いた通り、体の中もそうですが、いくつかの条件があってその中の環境が変わります。
そしてその環境が好きな微生物たちが住んで、増えていきます。
還元くんをご利用いただいている方からいただいた質問
「還元くんに人肌の液体を入れてずっと放置しておくと、雑菌が繁殖すると思うのですが・・」
という点にお話を戻すと、
人肌というのは大体36度〜37度。
還元くんに暖かいお湯を入れたとしても、だんだんと温度は下がっていく。
とりわけ、緑茶に関してはそのカテキンの効果から
雑菌の数は気にするほどでもない
ということが言えます。
フルーツで還元水を作っておられる方、オレンジなどは糖分がありますが酸味で雑菌は抑えられると考えられます。
開発者は「お茶がいい」とおっしゃいますが、とりわけ緑茶は色々な意味で素晴らしいですね。
まとめ
さすがに、還元くんの中に飲み物を入れて2週間も3週間も「ずっと放置」しておくのはまずいです。
(1週間還元くんの中に置いておいた緑茶は溶存水素量10500ppbという実験結果がありますが、飲み物としてはまず過ぎて成立しなかったとのこと。)
説明書の通り、普通に使っていれば雑菌については大丈夫であると思われます。
私たちの体も雑菌とともにありますので、仲良くしましょう。
あ、還元くんの中、そしてお茶を保管する容器の中をしっかりと洗うことは大切です!
今回色々と考えてみた結果、いっそう還元くんが大好きになりました!
参考:
厚生労働省e-ヘルスネット
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-003.html
ビオフェルミン製薬
https://www.biofermin.co.jp/nyusankin/knowledge/bacteria/
大塚製薬
https://www.otsuka.co.jp/health-and-illness/fiber/for-body/intestinal-flora/
人の細胞の個数
https://www.tandfonline.com/doi/abs/10.3109/03014460.2013.807878
公益財団法人 腸内細菌学会
https://bifidus-fund.jp/FAQ/FAQ_02.shtml